「水上バイクで来たヒーロー 15時間かけ120人を救う」というニュースを覚えていますか？ 水上バイクは“水辺のヒーロー”になる乗り物です。だから悪質ユーザーはいなくていい （ジェットスキー）
「悪質な水上バイク」は今のトレンド
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写真左：内藤翔一さん、右：井田和宏さん。彼らが水上バイクで救助してくれたおかげで、たくさんの人が助かりました。
今年の夏も、悪質な水上バイクによる危険走行や迷惑走行が、全国各地でニュースになりました。 特に、7月末に兵庫県明石市内の海岸で水上バイクが遊泳者の近くで危険な運転をした問題を受け、8月31日に明石市は、『官民で協力して海岸域の安全利用の推進に取り組むため、国や県、関係団体とともに「水上バイク連絡会議」を発足させる』と発表しました。 明石市では市長が中心となって「悪質な水上バイクと戦う」という姿勢を前面に打ち出し、世の人々に大絶賛されています。
また8月21日には、神奈川県でも、市議会議員が撮影した「海水浴場付近で暴走する水上バイク」の映像が報道されました。危険な水上バイクを問題視する、政治家なり行政の関係者がヒーロー扱いされるケースが増えています。 明石の「殺人未遂」動画は一般の方が撮影し、海上保安庁に届けられた映像だそうです。
西日本豪雨の大活躍 本当に賞賛されるべきは、善意の一般水上バイク乗りです
悲しいかな、いいニュースほど「話題」にならないものです。水上バイクは、カヌーやヨットなどの大会や、サーフィンの大会などで、その機動力を生かしたレスキュー活動を行っています。また、人命救助でも多くの場面で活躍しています。
2019年8月には、兵庫県明石市の海水浴場でおぼれていた男性を、水上バイクに乗った萬山良一さんと、ゴムボートに乗っていた垂井寛大さん、杉橋仁さんの3名で救助し、明石市から表彰されています。
2018年の西日本豪雨での人命救助活動は、記憶にも新しいところです。 水上バイクのイメージが最悪の今だから、改めて「水上バイク」が暴走するだけの乗り物でないことを知ってほしいと思っています。
水上バイクで来たヒーロー 15時間かけ120人を救う
これは、2019年7月19付け朝日新聞に掲載された記事の見出しです。 「平成30年7月豪雨」は、2018年（平成30年）6月28日～7月8日にかけて、西日本を中心に北海道や中部地方を含む全国的に広い範囲で甚大な被害をもたらした、台風7号および梅雨前線等の影響による集中豪雨による災害のことです。別称「西日本豪雨」とも呼ばれています。 これは、2019年6月末からの豪雨で堤防が決壊。岡山県倉敷市真備町地区で、地区全体の約20％の範囲が冠水した。取り残された住民120人を、ひと晩かけて水上バイクで助けた「内藤翔一さん」という男性の話です。
7月7日に内藤さんは、後輩から「自分の母親が真備町の自宅に取り残されているので助けてほしい」と連絡を受けました。内藤さんは、趣味で水上バイクに乗ることがあり、免許も持っています。友人の井田和宏さんから水上バイクとトラックを借り、共に救助に向かいました。 水上バイクで救助に駆けつけると、ほかにも取り残されている人がたくさんいました。そこで、自分の危険も顧みず、夜を徹して救助活動を行ったというのが、新聞記事の内容でした。
私は1人の人間として、「困っている人たちを助けたい」という内藤さんたちの姿勢に胸を打たれ、この「ヒーロー」に会いたくなりました。取材というよりも、同じ水上バイク乗りとして、一言でも“お礼”が言いたかったのです。 ツテを頼ってたどり着いたのが、ヒーローに水上バイクを貸した井田和宏さんでした。まだ水が引いたばかりの7月25日、電話で井田さんに「ぜひ取材させて欲しい」とお願いしたところ、「明日の昼からだったら、自分も“ヒーロー”もおるけえ、来たらいい」と言ってもらえたのです。
自分の生まれた場所に住んでいる人々を救いたい
約束の昼すぎ、井田さんの職場で「ヒーロー」こと内藤翔一さんと会いました。最初に内藤さんから、「取材も、本当は嫌だった」と言われました。
「誉められたくてやったことではない。住民たちは、雨の中、家の屋根上に座り、一刻も早い救助を待っている。それなのに、ヘリコプターは飛び続けているだけ。家から離れた浸水していない道路からは、レポーターが路上に停車してある中継車の横で、マイクを持ってしゃべり続けている。『そんなことをしているんだったら、助けろよ』と腹が立った。救援活動中にも、マスコミは見ているだけで、誰一人救おうとしない。あの姿勢に疑問を感じ、不信感を抱いた」と続けました。
「自分の地元」は、「身内」だから、「死んでも救いたかった」
内藤さんと井田さんに、「今日、ここに来たのは、同じ水上バイク乗りとして、多くの人々の命を救ったことに対する感謝の気持ちを伝えるとともに、命がけで朝4時まで水上バイクで救助を行った人がいることを、多くの人に知ってもらうためです」と、私の気持ちを伝え、ようやく取材の理由を理解してもらえました。 「自分は死んでもいい」と思って、油や汚物まみれの水面を水上バイクで走る。流れてくるプロパンガスのボンベに激突していたら、水上バイクもろとも爆発炎上したかもしれない恐怖のなか、夜を徹して救助を行った内藤さんのリアルな話です。
【続き】 覚えていますか？ マスコミに大きく報道された「水上バイクで来たヒーロー 15時間かけ120人を救う」というニュースを！ 水上バイクは“水辺のヒーロー”になる乗り物です。だから悪質ユーザーなどいなくていい!! （※この記事は、ワールド水上バイクスポーツマガジン、2018年9月号に掲載したものを再編集しています）
ワールドジェットスポーツマガジン編集部
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同じジェットスキーでも乗り手によって１８０度変わるものですよね…
一方は人殺しの道具にしそうになって、もう一方は人命救助に使う…
後者の人命救助に使うのが当たり前だとは思いますが、良い事に使った人はマスコミも取り扱わず、悪い事に使った人だけに注目が集まる…
悪い事も報道しなければいけないとは思いますが、同じくらい良い事に使ったひとも取り扱って頂きたいと思います。
使い手によって世間の目が大きく変わってしまって結局ジェットスキ―＝悪いになってしまってジェットスキーをやる人口も減ってきてしまいますよね。
ジェットスキ―人口が減るのは違うのかな…とは思います。
せめて遊泳エリアとジェットスキ―エリアに分けた方が良いと思います。もちろん隣接していては意味が無いと思うので、距離はとるべきだと思います…
